「Web制作って飽和してるのでは?」——確かに従来型のWeb制作は競争が激しいです。しかしAIツールを組み合わせることで、構成づくりからコーディング、テキスト生成までの工程を効率化できる余地があります。
この記事では、AIツールを使ってWeb制作の各工程をどう効率化できるかを、公開情報をもとに整理します。
AIでWeb制作のどの工程が効率化できるのか
構成・ワイヤーフレームづくり
サイトの構成案(どのページに何を載せるか)は、業種やターゲットの情報を渡すことで、生成AIにたたき台を作らせることができます。ゼロから紙に書き出すより、選択肢を出してもらって絞り込むほうが早く進められる工程です。
デザインのたたき台づくり
Framerのようなノーコード制作ツールや、Galileo AIのようなデザイン生成AIを使うと、デザインの経験が少なくても複数パターンの見た目案を出すことができます。最終的な調整や、クライアント固有の要素(ロゴ・写真・独自カラー)の反映は人の作業として残ります。
コーディング・実装の下書き
Cursor AIのようなAIコーディング補助ツールは、HTML/CSS/JavaScriptの下書きやWordPressテーマのカスタマイズを助けてくれます。ただし生成されたコードをそのまま使うのではなく、動作確認とセキュリティ面のチェックは人が行う必要があります。
必要なAIツールと月額コスト
以下は2026年8月時点の公開情報です。料金は変更されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
デザイン・制作ツール
・Cursor AI(月額$20):AIコーディング補助、HTML/CSS/JS生成
・Framer(月額$15〜):AIデザイン生成+ノーコード制作
・Figma+AIプラグイン(無料〜):デザインカンプ作成
テキスト・コンテンツ生成
・ChatGPT Plus(月額$20):コピーライティング、SEOテキスト生成。当サイトでも実際に使っており、構成案やテキストのたたき台を素早く出せる点を実感しています。
・Canva Pro(月額1,500円):バナー、画像、アイコン制作
月額コストの目安
最小構成なら月額6,000円程度から始められます。ツールの組み合わせ次第でコストは調整できます。
制作物の規模ごとに、AIが効く工程と効かない工程
Web制作の案件は、おおまかに次のようなタイプに分けられます。それぞれでAIが効きやすい工程と、人の判断が必要な工程は変わってきます。
LP(ランディングページ)
1ページ完結型のため、構成案とコピーライティングの比重が大きく、ChatGPTでのたたき台作成やCanvaでのバナー制作がそのまま効きやすい案件タイプです。
コーポレートサイト(複数ページ)
ページ数が増えるぶん、構成の整合性やナビゲーション設計に人の目が必要です。デザインの方向性はFramerなどで複数案を出し、実装はCursor AIで下書きしたうえで、レスポンシブ対応やフォーム動作の確認を人が行う流れになります。
ECサイト
商品ページのテンプレート化にはAIが使えますが、決済まわりやセキュリティ、在庫管理との連携は専門知識が必要で、AI任せにしにくい領域です。
WordPress制作+SEO設定
テーマのカスタマイズはAI補助で進めやすい一方、内部リンク設計やタイトル・見出しのSEO調整は、サイト全体を見ながら人が判断する部分が大きくなります。
既存サイトのリニューアル
既存コンテンツの棚卸しと移行作業が中心になるため、AIが効く範囲は新規制作よりも限定的です。何を残し、何を作り直すかの判断が工程の大半を占めます。
地元の飲食店や美容室、工務店、士業事務所など、自作では限界があるが大手制作会社に依頼するほどでもない事業者からの発注は、根強いニーズがあるとされています。制作後の保守提案も、案件タイプに応じて検討の余地があります。
AI活用を前提にした進め方の注意
案件の獲得方法には、クラウドソーシングでの応募、地元事業者への直接の提案、既存クライアントからの紹介などがあります。AI活用で提案までのスピードは上げやすい一方、価格設定や実績づくりの進め方は状況次第です。収入は個人差が大きく、稼働時間・スキル・案件状況によって変わり、特定の金額を保証するものではありません。
AI活用の制作ワークフロー|実例で解説
フェーズ1:ヒアリング+構成案作成
クライアントの要望をヒアリングし、ChatGPTに投げて構成案のたたき台を作らせます。「5ページのコーポレートサイト。業種:税理士事務所。ターゲット:30〜50代経営者。必要ページ:TOP、サービス、料金、事例、問い合わせ」のように条件を入力すると、各ページの構成案が出てきます。ここでAIに任せるのは選択肢を広げる部分で、実際に採用する構成を決めるのは人の判断です。
フェーズ2:デザイン生成
Framerのようなツールで「税理士事務所 信頼感 ブルー基調 モダン」のようなプロンプトを入力し、デザイン案を複数パターン生成します。クライアントに提示して方向性を絞り込む段階でAIを使い、細部の作り込みは人が担当します。
フェーズ3:コーディング+実装
Cursor AIでHTML/CSS/JavaScriptの下書きを生成させ、レスポンシブ対応やフォーム実装の土台を作ります。WordPressテーマのカスタマイズもAIに下書きを出させ、動作確認とコードレビューは人が行います。特にフォーム周りの入力バリデーションやセキュリティ面は要チェックです。
フェーズ4:テキスト+画像制作
ChatGPTでSEOを意識したキャッチコピー・本文のたたき台を作成し、Canvaでバナーやアイキャッチを作ります。テキストのトーンはクライアントの業種・ターゲットに合わせて、AIが出した案を人が調整する形で進めます。
フェーズ5:テスト+納品
ブラウザ間の表示確認、スマホ表示、表示速度、フォーム動作の確認をひととおり行い、問題がなければ納品します。ここは自動化しにくく、人による最終チェックが欠かせない工程です。
AI制作で気をつけるべき3つの注意点
注意点1:AI生成デザインの「そっくりさん」問題
AIが生成するデザインは学習元の影響を受けるため、既存サイトに酷似する可能性があります。生成後に必ずオリジナリティを加え、クライアント固有の要素(ロゴ、写真、独自カラー)を反映しましょう。
注意点2:コードの品質チェックは人間が行う
AI生成コードはそのままでは非効率な記述や古い手法が混ざることがあります。セキュリティ(XSS対策、入力バリデーション)は必ず人間がレビュー。特にフォーム周りは慎重に。
注意点3:AI活用をクライアントにどう伝えるか
制作手法そのものより、成果物の品質で説明するのが基本の考え方です。ただしAIが生成したデザインやコードの著作権の扱いや、ツール側の利用規約が絡むケースもあるため、契約前に確認しておくと安心です。「AIだから安くしろ」といった値下げ要求には、価格をスキルと成果物の品質で設定する考え方で対応します。
AI前提でWeb制作を学ぶときの進め方
基礎:HTML/CSSとツールの使い方に慣れる
HTML/CSSの基礎を学びながら、Cursor AIやFramerなど使うツールの操作に慣れる段階です。AIに任せられる部分と、自分で理解しておくべき最低限のコードの知識を切り分けて把握しておくと、後の工程で判断がしやすくなります。
制作:ポートフォリオづくりと案件対応
架空のクライアントを想定してサイトをいくつか制作し、ポートフォリオとしてまとめます。実際の案件では、ヒアリングから納品までの一連の流れをAIツールと組み合わせて回せるようにしていく段階です。
品質管理:レビュー体制を整える
案件数が増えてきたら、AI生成物をそのまま納品しない体制づくりが重要です。デザインのオリジナリティ確認、コードのセキュリティレビュー、表示・動作確認をルーティン化しておくと、品質を保ちながら数をこなせます。
まとめ:AI×Web制作は工程を絞り込んで効率化する時代
AIツールは構成案づくり、デザインのたたき台、コーディングの下書き、テキスト生成といった工程で力を発揮します。一方でクライアント固有の要素の反映、セキュリティレビュー、最終的な品質チェックは人の役割として残ります。どこをAIに任せ、どこを人が見るかを工程ごとに整理しておくのが、AI活用の基本的な進め方です。
まずはChatGPTで構成案を出させてみる、Cursor AIやFramerを実際に触ってみるところから始めると、AIが効く工程の感覚がつかみやすくなります。
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